この記事ではLCC(格安航空会社)と他のFSC(フルサービスキャリア)などの航空会社との違いについて紹介しています。
航空会社ってどんな種類がある?
現在、日本には様々な航空会社が存在しますが、それらは登場時期に基づいて大きく3つに区分することができます。その3つとはFSC(フルサービスキャリア)と呼ばれる最も古くからある航空会社、規制緩和後に登場した航空会社、そして最近増加しているLCC(格安航空会社)です。
古くからあるFSC(フルサービスキャリア)
こちらに当てはまる航空会社は日本で言うところのJALやANAです。こちらは、1998年ごろから行われた規制緩和より前に運行を開始した航空会社となっており、日本を代表する航空会社とも言えます。しかし、規制緩和により2社は苦境に立たされ、JALは2010年に経営破綻してしまいました。ANAについては、ANAホールディングスが後で説明するピーチ・アビエーションとバニラ・エアといった格安航空会社を傘下に収めています(ピーチ・アビエーションとバニラ・エアは2019年に経営統合し、バニラ・エアは消滅)。収入についてはこの2社が断然トップで、2019年度では他の航空会社に比べて桁が1つ違います。
この形態の航空会社の特徴は、これから紹介するような他の航空会社に比べて運賃が高く設定されているという点です。この原因としては、他の航空会社に比べてサービスが充実しているということが挙げられます。例えば11歳以下の子供が1人で乗車できるサービスはLCCなどにはなく、サービスの良さの表れと言えるでしょう。また、JALとANAは世界的に見てもサービスが優れており、2020年度の「エアライン・トラスト・インデックス」という、Collibraが発表している航空会社の信頼度を示す指標によると、ANAは1位に、JALは3位に位置付けられているほど信頼されています。
運行本数も他の航空会社に比べて圧倒的に多く、国内線はもちろんのこと、国際線も充実しているので利用する機会も多いでしょう。

JALの割引運賃である「スカイメイト」については以下の記事でご紹介しています。ぜひそちらも併せてご覧ください!
規制緩和後に登場した航空会社(MCC)
こちらの区分に当てはまる航空会社は、スカイマークやAIRDO、ソラシドエア(旧スカイネットアジア航空)などが当てはまります。こちらは1998年を皮切りに登場した航空会社で、上で紹介したFSCとのちに紹介するLCCの中間的な位置付けになります。ですからMCC(ミドルコストキャリア)なんて呼ばれることも多いです。規制緩和前は、一般庶民には高価な飛行機の利用の選択肢がありませんでしたが、規制緩和後これらの航空会社の運行開始により、飛行機がより身近な乗り物として認知されていきました。FSCにより一旦は苦境に立たされました(スカイマークはIT会社による救済合併、AIRDOは民事再生申請、ソラシドエアは産業再生機構による救済支援)が、黒字化したり、就航路線を拡大させたりするなどして、新たな航空会社群として頭角を表しました。
運賃は、ほぼFSCとLCCの中間であり、JALやANAの6割程度となっています。サービスに関してもほぼ同じようなことがいえ、FSCのところであげた子供の乗車に関するサービスも提供していることが多く、また、のちに説明する通り、LCCには子供料金が設定されていないことが多いので、子供と一緒に旅行する際は、これらのような航空会社の方が安く済むなんてこともあります。また座席の広さについてもLCCよりも充実しているので、1人で利用する際、リラックスして乗りたいけどなるべく安くしたいなんて人におすすめです。
運行本数や路線に関してはFSCには劣りますが、それでも主要路線はカバーしていることが多いので、利用する機会はかなりあると言えるでしょう。
MCCの代表格であるスカイマークの運賃については以下の記事で解説しています!
LCC(格安航空会社)
LCC(格安航空会社)はほとんどの人が聞いたことがあるでしょう。ローコストキャリアの略称で、その名の通り、他の航空会社と比べた時の圧倒的な安さが特徴です。日本では2012年にピーチ・アビエーションが就航を開始してから、ジェットスターや春秋航空日本などが運行するなど、路線や航空会社数が拡大しています。
先ほどあげましたが、運賃に関しては最も安く、このことが最大の特徴と言えるでしょう。サービスに関しては、小型機が多く、座席の間隔が狭いなどありますが、価格を考慮すれば、値段相応のサービスと言えるでしょう。また、国内線であれば乗っている時間もさほど長くないので、人によりますが、我慢しようとすればできることが多いでしょう。子供料金に関していえば、設定されていないことが多いです。
本数はFSCに比べれば運行本数や路線数が少ないです。ただし、航空会社が日本国内の会社のみならず、国際線であれば国外の会社も日本に就航している場合が多いので、利用する機会はかなり多いといえます。ちなみに東京近郊では羽田空港にはLCCが就航しておらず、成田空港に多く就航しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
どれがおすすめ?
コストよりサービスを重視したいならFSCがおすすめ!
海外旅行で長距離移動をする際など、コストよりサービスを重視したい場合は、JALやANAといったフルサービスキャリアの航空会社を利用するのが良いでしょう。他の航空会社は安くなる分、座席が狭くなるなどして快適性にかけ、エコノミークラス症候群になるリスクがあります。ですから、体力に自信がない、もしくは贅沢な旅をした人であればFSCをおすすめします。ただし、如何せん運賃が高めですから、特に学生はなかなか手を出せない場合も多いと思われます。
大人数で移動する、もしくは安さにしか興味ない人にはLCCがおすすめ!
国内旅行や東アジア、東南アジア旅行といった移動時間の短い旅行をする、もしくは学生が旅行する場合はLCCがおすすめです。LCCは上でもあげましたが圧倒的安さが売りです。ですからなるべく移動費を減らしたい人には特におすすめです。しかし座席が狭いなど、快適性は他のものよりも劣りますから、体力にあまり自信のない人は国内旅行といった移動時間が短い場合に利用するのが良いでしょう。また、運行本数や路線も少ないため、場所によってはLCCがないこともありますから注意しましょう。
コストとサービスの両方を取りたい人にはMCCがおすすめ!
コストもなるべく安い方がいいが、長距離の移動や体力的な問題からサービスも重視したい人にはスカイマークやAIRDOといったMCC(ミドルコストキャリア)がおすすめです。先に説明した通り、こちらはFSCとLCCの中間的位置付けなので、FSCよりも運賃が安い上に、LCCよりも座席の広さといったサービスが充実している、ちょうどいい存在と言えるでしょう。学生で、たまには贅沢したいなんて人にもおすすめです。ですが、LCC同様FSCに比べて運行路線が限定されてしまいます。
まとめ
以上のようにそれぞれの航空会社にはそれぞれの良さがあることがわかりました。LCCが最安と言いましたが、飛行機だけでなく他の交通手段を利用した方が安く済むなんてこともあります。このサイトでは、様々な都市間の移動手段を徹底比較したり、新幹線をどうやって買えば安くなるのかについても説明しておりますので、合わせてそちらもご覧ください!!