この記事ではJR北海道が発行している「きた北海道フリーパス」をご紹介しています。同様の切符で「ひがし北海道フリーパス」もあります。そちらについては以下の記事でご紹介していますので併せてご覧ください。
きた北海道フリーパスとは
きた北海道フリーパスとは道央と道北のJR線が3日間乗り放題となるお得なきっぷです。この切符は航空会社とタイアップで発行されており,2023年8月現在で発行されているのは「ANAきた北海道フリーパス」「FDAきた北海道フリーパス」「Peachきた北海道フリーパス」「AIRDOきた北海道フリーパス」の4つで,10月1日以降も同じ航空会社とのタイアップを行うようです(JR北海道のHP「おトクなきっぷ」には10月以降のANAきた北海道フリーパスは書いてありませんが,ANAとJR北海道の共同リリースで継続が発表されました)。
10月1日以降に設定されている「きた北海道フリーパス」はそれ以前のものとは少し中身が異なるので,この記事ではその10月以降のきた北海道フリーパスについてご紹介します。
フリーエリア
フリーエリアは以下の画像の通りで,道央・道北のJR線が対象となっています。

人気の観光地が多くフリーエリア内にあり,札幌や旭川,美瑛,富良野,稚内などさまざまな場所をめぐることができます。
価格
価格は大人・子供・そして12歳以上25歳以下の人が利用できるU25の設定があり,それぞれは以下の価格になっています。
大人 | 16,200円 |
小人 | 8,600円 |
U25 | 13,600円 |
もし特急宗谷を利用する際は片道指定席で11,090円かかります。また札幌~旭川間を特急で行く場合は普通車指定席だと5,220円かかりますから,どちらも乗るだけで元が取れるほどお得です。
期間
きた北海道フリーパスは3日間有効です。利用開始日は購入当日と翌日から選ぶことができます。発売期間と利用期間については以下の通りです。
発売期間 | 2023年10月1日(日)~2024年3月31日(日) |
利用期間 | 2023年10月1日(日)~2024年4月3日(水) |
ただし年末年始(2023年12月28日(木)~2024年1月6日(土))は利用できません。
特典
このきっぷはまず普通車指定席が4回まで追加料金なしで利用することができます。指定方法については以下で解説します。
また空港で利用できる商品券1000円分が付いてきます。空港でお土産を買う際にぜひ利用してはいかがでしょうか。利用できるショップはタイアップしている航空会社によって異なります。またこの航空会社を利用することが証明できるものを持っている必要があります。
ANA | 新千歳空港・旭川空港・稚内空港内のANA FESTA |
FDA | 新千歳空港のアミュージアムショップフライヤーズ |
AIRDO | 帰りのAIRDO機内販売 |
Peach | 帰りのPeach機内販売 |
購入方法
大人・小人
大人・小人のきた北海道フリーパスは新千歳空港駅の話せる券売機・指定席券売機で購入することができます。券売機の「おトクなきっぷ」を押し,利用したい航空会社のきた北海道フリーパスを選択します。あとは人数と利用開始日を選択して支払いをすればOKです。支払方法は券売機ごとに異なり,現金のみ・カードのみ・どちらも可という3種類の券売機がありました(2023年9月)。話せる券売機は現金・カードともに利用可能でした。
U25
U25は新千歳空港駅の話せる券売機でのみ取り扱っています。購入方法は話せる券売機でオペレーターを呼び出し,きた北海道フリーパスがほしい旨を伝えます。あとはオペレーターの指示に従って年齢確認のできる公的書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)を見せて支払えばOKです。この公的書類は利用期間中携帯しておく必要があります。
指定席の予約方法
このきっぷは4回まで普通車指定席を使用することができます。駅の指定席券売機や話せる券売機,みどりの窓口で行うことができます。みどりの窓口で指定する場合はきっぷを見せ,どの区間で特急を利用するかを伝えるとできます。
券売機で指定する場合も切符が必要となります。画面の「指定席」を選択し,降りる駅を選択します。そしたら切符の種類を選択する画面になりますので,そこで「おトクなきっぷに座席指定」を選択します。あとは画面の指示に従うだけで購入できます。
実際に使ってみた!
わたしは2023年の9月にANAきた北海道フリーパスを利用した旅行を行いました。このときのきた北海道フリーパスは普通車指定席は運賃のみが有効で,別に特急券が必要でした。
1日目はほとんど特急に乗りませんでした。羽田空港10時発のANAで新千歳空港まで行き,新千歳空港から快速エアポートに乗ってそのまま札幌まで行くのではなく,いったん隣の南千歳で下車し,わざわざ特急すずらんに乗って札幌を目指しました。ホテルに荷物を預けた後はあまり何も考えずに特急あおぞらに乗り車内でご飯屋さんを見つけたため急遽新札幌で下車したり,結局その日は臨時休業だったためにまた札幌に特急で戻ったりするなど,かなり贅沢な特急の利用を行いました。その後は小樽まで行って運河を見る予定でしたが,急遽札幌に暮らす友人とご飯を食べる予定ができたので行かずじまいでした。
2日目は青い池とファーム富田,旭山動物園に行く予定でしたが,前日の夜遅くまで友人と飲んでいたために寝坊し,とりあえず特急ライラックで旭川へ向かい,車内で計画を練り直しました。結局旭山動物園とファーム富田には行かないことにし,廃止予定の留萌線に乗ることにしました。

まず富良野線で美瑛まで移動し,美瑛駅前の道の駅で1時間ほど時間を潰したのちに,バスで青い池まで向かいました。この時はあまり天気が良くありませんでしたが,非常にきれいでした。

その後また富良野線で富良野まで移動しました。富良野では乗換に1時間ほど時間があったので,駅周辺の貨物駅や道端の花などを見て時間を潰し,根室本線で滝川へと向かいました。根室本線は富良野~新得間での廃止が決定となっており,もしかしたら富良野~滝川間もいつか廃止になるかもしれないと思い,乗っておくことにしました。乗車したのはキハ40系の「紫水号」で,ボックスシートに座りましたがとても足元が狭かったです。

滝川駅周辺でご飯を食べながら1時間ほど潰した後,特急カムイで深川まで行き,廃止予定のある留萌線で石狩沼田へと向かいました。石狩沼田につく頃にはすっかり日が落ち,気温は9℃で半袖だった私には寒すぎました(地元の半袖高校生も寒いと言っていました)。あとは折り返しの列車で深川まで戻り,特急カムイで札幌のホテルまで戻りました。
3日目は朝7時半に札幌を出る特急宗谷号で稚内を目指しました。事前情報で自由席は混むと聞いていたので,前日に指定席特急券を購入しておきました。実際発車5分前にホームにつくと,自由席はすべて埋まっており,立っている人もちらほら見られました(おそらく旭川まで)。ですので特急宗谷号は指定席をとっておくのがおすすめです。

札幌からは5時間以上列車に揺られ,旭川以降では時にシカの影響か急ブレーキをかけてはすぐ緩解するといった感じで運行していました。よく遅延すると事前情報があったので余裕を持った日程を組んではいましたが,実際乗ったときは遅れることなく稚内に到着しました。様々なところで放牧された牛が見られたり,南稚内到着前に利尻富士が見られたりして北海道ならではの風景が楽しめました。

稚内到着後はタイムズカーシェアで車を借り,宗谷岬とノシャップ岬,宗谷公園を訪れたのちにバスで稚内空港へ移動,あとは新千歳経由で羽田に戻りました。
結局この旅行で乗った特急列車は
- 北斗(南千歳→札幌):1600円
- あおぞら(札幌→新札幌):660円
- 北斗(新札幌→札幌):660円
- ライラック(札幌→旭川):4,690円
- カムイ(滝川→深川):860円
- カムイ(深川→札幌):4,250円
- 宗谷(札幌→稚内):10,560円(運賃7,920円)
となり,別途特急券を購入したのは宗谷号のみなので,特急分だけで8000円近くお得になりました(この時の切符の価格はU25で11,520円)。
まとめ
以上がきた北海道フリーパスについてのご紹介でした。北海道は特急王国であり,普通列車だけではなかなか移動が難しいことが多いです。ですのでぜひこの切符を使って道央・道北を旅行してみてはいかがでしょうか。